治療対象
精神分析的精神療法は心を探究することで問題を解決していこうとする治療法です。これに対して森田療法は生き方を探求することで問題を解決していこうとする治療法です。これら二つの治療法はその主眼とする点は異なっていますが、どちらの治療法にももう一方の治療法の要素が含まれています。当院では長年にわたって研究してきた成果を治療に役立てています。
精神分析的精神療法では、患者様に自由にお話しいただきその内容に基づいて治療者は自分が理解したことを患者様に伝えていきます。その後も患者様に自由にお話しいただきそこからまた治療者は患者様に自分が理解したことを伝えていきます。このようなことを繰り返しながら患者様と治療者で患者様の洞察を深めていくという双方向的な手法を取ります。
外来森田療法では、患者様に自由にお話しいただきその内容に基づいて治療者は生き方について患者様に助言します。その後も患者様に自由にお話しいただきそこからまた治療者は患者様に助言していきます。このようなことを繰り返しながら患者様と治療者で患者様の生き方を深めていくという双方向的な手法を取ります。
対象疾患
対象疾患は、神経症性障害(不安障害、強迫性障害、社交不安障害、パニック障害、適応障害、心的外傷後ストレス障害〈PTSD〉、心気障害など)、気分障害(うつ病性障害、気分変調性障害などのうつ状態を呈する障害)、自閉スペクトラム症(発達障害)などです。
具体的には、不安、恐怖、パニック、物事へのとらわれ、人前での緊張、自分の視線や人の視線にまつわる恐怖、焦燥、落ち込み、ゆううつ、意欲の低下、不眠(睡眠が浅い、寝つきが悪い、中途覚醒、早朝覚醒)、登校や出社の困難、引きこもり、劣等感、職場の人間関係についての悩み、育児、親子関係、夫婦関係などのついての家庭的な悩みなどになります。
なお、統合失調症に対しても長年の臨床経験があり、その精神療法および薬物療法を行っています。